lundi 12 février
人事のMさんは私のことを勘違いしてる。ついつい英語学校でドラマ作ってること言ってしまったものだから・・・別に毎日演劇の練習してるわけでもないのに、今度のお話がmusicalにもなってることをぽろっと言ってしまったものだから、「あなた、無料授業とるより、歌と踊りの練習しなきゃだめでしょう?」とかって・・・あのー・・・。英語を勉強しにいってるわけで、演劇しにいってるわけではありませんから・・・(汗)。 彼女はmusicalが相当好きらしく、なんだか私より盛り上がってしまって、「いやいやmusicalにはならないかもしれません」とか言ったらたちまち怒られてしまった。いやー彼女が発表を見に来るのがおそろし・・・。 で、なぜか渡されたのがムーラン・ルージュのビデオ。お気に入りで何十回と見てるらしく、参考にしてね、って(何の参考に?)。で、1ヶ月くらいたってようやく見てみた。 ムーラン・ルージュ (Moulin Rouge)はフランス語で「赤い風車」という意味。パリのモンマルトルにあるキャバレーで、実際に屋根の上に赤い風車があるらしい。歌やダンス、フレンチ・カンカン、大道芸を組み合わせたショーが有名で、そういえばロートレックが描いてたポスターはここの踊り子たちだよね。 のっけからクリスティアンの回想で始まって「えー」とか思っちゃった。借りたのが日本語吹替え版だったから、よけい耳についてしまったのね。特殊効果も使いすぎで夢の世界が逆に壊れてるような感じで、有名な曲の数々もうまく使ってるとこもあるけどパロディでおなかいっぱいになってしまい、途中で見るの止めようかと思った・・・が、よい感想を言って返さなければならないので(爆)、最後まで見た。舞台で見たら気に入ったかもしれないなぁ。 見ながらやっぱりドラマのスクリプトのこと考えてしまい、ムーラン・ルージュを楽しむというより「次どうなってしまうんだろ?ってはらはらどきどき感が私たちのドラマにはないよなぁ」とかそんなこと思いながら見てた。こちらは物語自体はいたってシンプルな悲恋物語で、後半の駆け引きはやっぱりいいよね。対立の構図も単純明快。サティーンを何が何でも我が物にしようとする公爵はノートルダムに出てくるフロローみたい。でもHairsprayはコメディだからなぁ。それ入れたらシリアスになっちゃうし・・・うーん、難し。大笑いしても「それが人生だよね」って最後に泣けちゃうようなtouchingなコメディが好きなんだけど、Hairsprayだとそれができそうにないわ。コメディの質が違うもん。ミュージカルだけどメルヘンじゃないし、最後は圧倒的なパフォーマンスでしかありえないのかしら?しかしそれじゃ軽いな~全編silly comedyにしてしまってはしょってるもの重すぎてcheapになるし・・・あー難し。これは最後の最後まで答えが出ないのではないだろか(!)。 こんなこと書いてるとやっぱり英語じゃなくて演劇の勉強してるみたいね(笑)。演劇というか脚本の方だけど。だってお話考えるの好きなんだもーん。でもこういう思考回路じたいはエッセイライティングとかにも生きてると思う。導入でひきつけたり、伏線入れたり、つじつま合わせたり、筋通したり・・・あとは明快なメッセージ。お話の場合は読後感ってのも大切だけど。 折口信夫だか関口存男だか「自分の書きたいことは最終的には戯曲でしか書けない」って言ってた気がしたけど、戯曲って作家の世界観を表すことのできる究極の表現形態なのかも。その意味でも脚本ってどんなものか少しでも分かったのは有意義だし、戯曲ってジャンルを読む(あるいは書いてみる)きっかけになったこの英語学校に感謝してる。この前また平田オリザの本読んでみた。何回読んでるだろ? http://blog.goo.ne.jp/nabocha/e/4ea03830078b91a1b1a0c15aa65ca346 「主人公が人間として変化を遂げていく(Bildungsroman)のがドラマの本質」・・・なんだけどねぇ。 HairsprayをおととしBroadwayで観たという友人に「Hairspray難しいよ~。comedyで家族でも楽しめるけど、分かる人には分かるって作品じゃん?」って以前聞いたとき、「あれはNeil Simon劇場ならではだよねぇ。」と言ってたのを思い出して、先週ニール・サイモン戯曲集を図書館から借りてきた。ニール・サイモン全然知らなくて。まだひとつしか読んでないけど、電話の使い方とかうまいよね。奇人たちの晩餐会とかもそうだけど、観客には全部分かってるけど舞台上のひとたちは勘違いに全然気づかないっていうの。アラン・エイクボーンのRelatively Speakingとかもそんな感じだった。あといろんな人物がどどどどどって入ってきてパニックになっちゃうシーンとか。マルクス兄弟のオペラは踊るだっけ?狭ーい船室内にどでかいトランクやらなにやらいろんな人が入り乱れて大爆笑した記憶が。 うーん、状況で笑わせるってのぜひぜひやりたいわ。プロットで登場人物たちを滑稽な状況に追い込むっての。キャラクターの性格や行動で滑稽な状況が生まれるってのもいいけど、これはactor次第だもんねぇ。でも必要。あとは会話のテンポだわ。ボケとツッコミの応酬みたいなの。わわわ、やりたいことはたくさんだわ。楽しくなってきた♪ http://www.stone-wings.com/practicaldramaturgy.htm#16 つけたし。そういえばこの前フランス語入門会話の授業で、いつもペアになる大学生の子と比較級とか最上級の練習しててなぜかMoulin Rougeの話になり、話したいのだけどいかんせんお互いのつたないフラ語では通じない!でも話したいことが先にあって言葉勉強するのはいいことだなぁと思った次第なのでした。 なんだか久しぶりの日記でおそろしく長文になっちゃった。。。
by nabocha
| 2007-02-12 03:40
| 映画
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