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L'hexagone d'hiver

samedi 10 janvier
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実家で見た冬の夜空があまりにきれいだったので東京でも見ようと思うのですが、なかなか見つけることができません。やっぱり他の明かりがあるのと、そもそも空が小さい(さえぎるものが多すぎる)のですね。冬のダイヤモンドを見つけられた時は、やっぱりうれしいものです。

さて、冬のダイヤモンド(六角形)L'hexagone d'hiverの見つけ方。
①まずオリオン座Orionを見つけます。真ん中に三ツ星があるからすぐに分かります。肩の部分がベテルギウスBételgeuseで、足のところがリゲルRigelです。
②三ツ星を左下に延長していくと、ひときわ明るいおおいぬ座Grand ChienのシリウスSiriusが見つかります。
③ベテルギウスを左に延長すると、こいぬ座Petit ChienのプロキオンProcyonが見つかります。ベテルギウスとシリウスとプロキオンを結んで、冬の三角形Le triangle d'hiverが完成します。
④ベテルギウスを左上に延長していくと、仲良く並んで輝く星が見つかります。これがふたご座GémeauxのカストルCastorとポルックスPolluxです。
⑤ポルックスの右上にあるのが、ぎょしゃ座CocherのカペラCapella。
⑥最後にカペラの下にあるおうし座TaureauのアルデバランAldébaranを見つけます。

こうして、シリウスから時計回りにプロキオン、ポルックス、カペラ、アルデバラン、リゲルと6つの星を順に結ぶと、冬のダイヤモンドが浮かび上がります。
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この世界がきみのために存在すると思ってはいけない。
世界はきみを入れる容器ではない。
世界ときみは、二本の木が並んで立つように、どちらも寄りかかることなく、
それぞれまっすぐに立っている。
きみは自分のそばに世界という立派な木があることを知っている。それを喜んでいる。
世界の方はあまりきみのことを考えていないかもしれない。

でも、外に立つ世界とは別に、きみの中にも、一つの世界がある。
きみは自分の内部の広大な薄明の世界を想像してみることができる。
きみの意識は二つの世界の境界の上にいる。
大事なのは、山脈や、人や、染色工場や、セミ時雨などからなる外の世界と、
きみの中にある広い世界との間に連絡をつけること、
一歩の距離をおいて並び立つ二つの世界の呼応と調和をはかることだ。
たとえば、星を見るとかして。

二つの世界の呼応と調和がうまくいっていると、毎日を過すのはずっと楽になる。
心の力をよけいなことに使う必要がなくなる。
水の味がわかり、人を怒らせることが少なくなる。
星を正しく見るのはむずかしいが、上手になればそれだけの効果があがるだろう。
星ではなく、せせらぎや、セミ時雨でもいいのだけれども。

池澤夏樹「スティル・ライフ」冒頭より

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1048292811&owner_id=831795
by nabocha | 2009-01-10 08:28 | その他
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