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芋づる読書熱

samedi 12 juin

落ち込んでいる日々だからこそ、よむよむよむよむ。相変わらず写真まわりばかり。撮るより面白かったりして?これだから肝心のカメラに慣れていかないのだ!長いので疲れます。要注意。

★よんだほん
・ホンマタカシ『たのしい写真』
これを最初に読んでしまったせいである。
―この「等価値」という発想が、「ニューカラー」におけるキーワードです。決定的瞬間などはそもそも存在せず、すべては等価値であるという認識こそが重要なのです。
―「自分の意志で動き回って決定的瞬間を探す」の真逆にあるのは、「自分は動き回らずに目に飛び込んでくる被写体を受け入れる」。つまり、動き回る自由を封印してしまうことです。(中略)機械が発達して圧倒的に自由になったにもかかわらず、表現はみんな同じになってしまった。「社会が成熟すると物事は平準化する」という考え方がありますが、せっかく写真をという自由をたのしんでいるのに、社会と同じように平準化してしまうなんて本当にバカらしい話です。(中略)実はこの「制約を設ける」という方法こそが、長くたのしく写真をやり続けるための秘訣なのではないか、とボクは考えています。自分自身の感性とやらを過大に評価しはじめた瞬間から、行き詰まりがはじまる。チッポケな自分自身の内面よりも、自分を取り巻く環境にこそ無限の可能性があると考える方が前向きで健全な気がします。

・名取洋之助『写真の読みかた』
職場図書館で偶然発見。古くて新しいとはこのこと。ぜんぶ書いてある。こんな人がいたことに驚き。

・繁延あづさ『写真の撮り方手帖』
・『かわいい写真を撮る方法。』
・『かわいい写真の撮り方手帖』
東京外語大のGlobe Voiceが中身もいいけど雰囲気もいいなぁと思っていたら、市橋織江の写真だった。いわゆるかわいい写真って、ましかくハイキーで背景多め、ちょこっとポップ色。
http://www.ichihashiorie.com/

・『フィッシュ!鮮度100% ぴちぴちオフィスのつくり方』
うすくていい本。「自分のやっていることを好きになる。」「仕事そのものは選べなくても、どんなふうに仕事をするかは自分で選べる。」「ほかの人を参加させて、彼らに楽しい経験をさせるようにすれば、自然にお客のほうに注意がいく。誰かを喜ばせることに集中していれば、つねにポジティブな感情が生まれる。」「スタッフが職場の哲学を自分で見つける方法を考えた方がいい。自分で学ぶ経験と、その経験を自分の中にとりいれるための時間が必要。」

・飯沢耕太郎『日本の写真家101』
気になったのは、福原信三、植田正治、林忠彦、奈良原一高、牛腸茂雄、杉本博司、島尾伸三、オノデラユキ、平間至。『世界の写真家101』はななめ読みしにくいなぁ。ベッヒャー夫妻が気になっているのです。タイポロジー、何より給水塔!
http://www.google.com/images?hl=en&q=Bernd+Hilla+Becher

・ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』
ムージルの司書の達観ぶりは素敵すぎ!関係の哲学は山口昌男と高山宏を思い出す。そして高校生の時読んだ高田博厚の本に出てきた懐かしい塑形のはなし。数学と音楽は形に憧れる。書物もおなじ。
―ムージルの司書の賢明さは、まずは全体という概念の重視にあるが、それは、真の教養とは網羅性をめざすもので、断片的な知識の集積に還元されるものではないということを示唆していると考えられる。この全体の探求は、さらに別の側面ももっている。それは、個々の書物に新たなまなざしを投げかけ、その個別性を超えて、個々の書物が他の書物と取り結ぶ関係に関心を払う方向へとわれわれを導くのである。真の読者が把握を試みるべきは、この書物どうしの関係である。(中略)教養ある人間が知ろうとつとめるべきは、様々な書物のあいだの「連絡」や「接続」であって、個別の書物ではない。
―各人の固有の幻想と私的伝説で織りなされているこの個人的な<内なる書物>は、われわれの読書欲の牽引役である。われわれが書物を探したり、それを読んだりするのは、この<内なる書物>があるからにほかならない。<内なる書物>はあらゆる読者が探し求めている幻想的対象であって、読者が人生で出会う最良の書物も、さらなる読書へと誘う、その不完全な断片にすぎない。書物の書き手が探究し、形にしようと努めるのも、その書き手の<内なる書物>だといえるかもしれない。作家というものは、自分が書いた書物にも、出会う書物にも、それがどれほどよくできたものであろうと、絶えず不満足である。だから書きつづけるのだ。たしかに作家は、不断に追い求め、接近するが、けっして到達できないこの完全な書物―つまり自分に見合った書物―の理想的なイメージなしには、書きはじめることも、書きつづけることもできない。個人的な<内なる書物>は、集団的な<内なる書物>と同様、諸々の書物を受容するさいの受け皿となり、それらを再構成する働きをもつ。この意味でそれは、書物を、ひいては世界を解読するためのグリッドを提供する。そして透明性の幻想を与えつつ、書物や世界を発見せしめる。

・紺野登『ナレッジマネジメント入門』
コンパクトで分かりやすい。まずは「場」をいかに共有するか、だ。
http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/km.html
・『木村伊兵衛の眼 スナップショットはこう撮れ!』
人物を撮るふたつの方法・・・「相手方から受ける感情を写して行くという内面的なつかみ方と、雰囲気をつかんで行って、その中から対象を描き出すという、まわりから入っていく方法」。「遠くに人がいると、大体狙いをつけて、何となく知らん顔してその人のそばへ行く。それでカメラを持ち上げて、パッと撮ったら、すっと通り過ぎる。」・・・粋ですなぁ。
・『植田正治の世界』
パパとママとコドモたち。砂丘いいなぁ。鳥取行きたい。島根にも。
3つとも慶應図書館で発見。今度行くとき写真棚読みしよう!

★つんどくぼん
・今橋映子『フォト・リテラシー』
・多木浩二『肖像写真』
・シャーロット・コットン『現代写真論』
・『妹たちへ2』
・小林薫『ドラッカーとの対話―未来を読みきる力』
・青木安輝『解決志向の実践マネジメント』
かなり前に読んだ記事を思い出して。
http://allabout.co.jp/career/management/closeup/CU20050820A/

★よみたいほん
・管啓次郎『本は読めないものだから心配するな』
・『サラ・ムーンのミシシッピー・ワン』
・ナショナルジオグラフィック『プロの撮り方』シリーズ
・中平卓馬『中平卓馬の写真論』
・阿部謹也『自分のなかに歴史をよむ』
・苅谷剛彦『知的複眼思考法』
・野中郁次郎・紺野登『知識経営のすすめ』

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1511617280&owner_id=831795
by nabocha | 2010-06-12 07:01 | 読書
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