dimanche 9 août
昨日からⅡ期始まってますが、取りあえずⅠ期のまとめ。ここでも少し書きましたが、 http://nabocha.exblog.jp/10387314/ テキストはFrançois BégaudeauのEntre les mursのほかにDaniel PennacのChagrin d'écoleが取り上げられました。 http://lireenfete.blog27.fc2.com/blog-entry-563.html http://pepecastor.blogspot.com/2007/11/another-brick-in-wall.html http://opoponax.mo-blog.jp/curiositesphysinomiques/2008/01/chagrin_dcole_e5e0.html どちらもフランスの学校教育を取り上げているからでしょう。それから2人ともフランス語の教師から作家になり、これらの作品で受賞しています。 はっきり言って難しかった・・・。とくにPennacのテキスト。Entre les mursも最終日のテストの後にsous-titre付きで映画を見ましたが、若者言葉は余計に分かりません。でも日本で学級崩壊といっているレベルでは想像もつかないような教育現場があることを知っただけでも良かった。 しかしBégaudeauのテキストで、 - Et comment on fait quand on veut le remplacer par un pronom? Quelqu'un sait? Non. - Personne? Personne. - Ben quand même. なんてところを読んでると(この後yとenの説明が続きます)、何だかやっていることと読んでいることがオーバーラップして先生もそれを楽しんでるんじゃないかと思ってしまった。最後のテストもやたら難しく(授業では読んでいないChagrin d'écoleの抜粋から先生が独自に作ったもの)、中身を考えさせるようないわば仏語版現代文のテストで、これも生徒の理解度を測るというより楽しみで作ったに違いない・・・でもあの答え、知りたいなぁ。メールで聞いてみようかしら。 それで受講中はちっとも思いつかなかったのですが、Entre les mursは邦訳出ているのですね。 http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/112266.html 図書館で発見してさっそく読んでます。でもタイトルが「教室へ」となっています。なんで?ただの「教室」の方がまだいいかも(英語のタイトルはThe Classです)。先生はこのタイトルは牢獄の比喩だと言っていました。移民の子どもたちが否応なくぶつかる差別の壁と言った方も。それから邦訳読んでいたら、最初の方の先生たちの会話で、 「どうせね、壁のこっち側(パリ市内の意)に戻ってくればこうなることはわかってたわよ」 とありました。またフランスの学校は聖なる場として公にはされず、日本の授業参観などはありえないんだそうです。見えない壁の中で行われている教育・・・だからこそこの作品は現実を暴いたものとして評価されたのかもしれませんね。壁の中の壁の中の壁。 いま気づきましたが、今回の代講の先生、この教科書を編纂した方でした。 ★演劇から学ぶフランス語 http://www.erratum.jp/seizansha/T109.html 英語劇を通して英語を学んだので、フランス語を学ぶ上でも同じようなことができないかなぁ・・・と考えていて、かなり前にこの本チェックしていたのでした。こんなこともあるのね!図書館で借りてみよう。 これはメモですが、フランス人が機知を競って会話を楽しむ例としてPatrice LeconteのRidiculeをあげていました。 http://www.amazon.co.jp/リディキュール-DVD-パトリス・ルコント/dp/B0000844F2 さて夜スクとEスクの申込みをしました。夜スクは火曜の人類学(延ばし延ばしにしていた総合の自然科学分野をようやく取ります)と木曜の図書館・情報学。Eスクは3科目当たったけど面接授業の上限が12単位なので、取りあえず2科目分払い込み。心理学(専門)、マス・コミュニケーション論、近代日本と福澤諭吉のうちどれかになります。秋またクレディフ再開するつもりだけど、そうすると平日は火曜・水曜・木曜と連日夜は勉強です。あとは年間学費の払い込み。学生証用の写真を撮らなきゃ。短縮勤務で8月のお給料少ないけど、何とかやっていける・・・かな? 追記: ベゴドー「教室へ」を読了しました。読み始めから先生がかなり高圧的なのが目についたけど、生徒は生徒で負けていない。いろいろひっかかるところは原文を追いたい。たぶん図書館にあるはず。 ★壁についての記述 「最近では午前のうちにコーヒーが切れてしまうことも珍しくないんですよ。この塀の中にあっては何より必要なものであるにも関わらずです」(p.141) 「スキンヘッドの六年の生徒が二人、強烈なシュートでゴムボールを校庭の塀の向こうへ飛ばしてしまい、投げ返してくれと呼びかけていた。しかし何の返事もなかった。まるで塀の向こうには何もないかのように。まるで世界はこの塀の中にしか存在しないと言うように。」(p.143) ★びっくり① フードの下に帽子をかぶっていたスレイマンについて授業中「どんな人物?」との問いについ「ラップが好きそう」と答えたのだけど、事実そんな記述があったこと。 「スレイマンはその帽子を頭にかぶり、こんなラップを口ずさんでいた―築くものもない、壊すものもない、俺の喜びのほかに何があるのかい。」(p.171) ★びっくり② アコーディオンについての先生たちの会話がありました!・・・寂しいけど、ある種アコーディオンに対するフランス人の感じ方を表してるんだと思う。 「私ダンスをやってたのよ。でもやめちゃった」 「私も五年やってたわ。今はアコーディオンをやってるの」 「いいわよねえアコーディオン」 「そうなのよ。東欧の音楽にはもう素晴らしいとしか言いようのないものがあってね」 シャンタルはそこで口をつぐんだ。私はそこで沈黙を捨てた。 「私はアコーディオンがだめだな。子どもの頃のこと思い出しちゃってね。あの音を聞くと何だか憂鬱になったような気がしたんだ、本当は全然憂鬱なんかじゃなかったのに。たまに日曜日に縁日なんか行って延々と演奏されるアコーディオンを聴いてるとどうしようもなく気が滅入ったなあ。あれは人の心を沈ませるものだ。ろくなもんじゃない」 「それはものによるわよ。たとえば東欧の音楽にはすごく美しいものだってあるし」 「東だろうが西だろうがだめなものはだめだ。首をくくりたくなる。禁止すべきだ。それしかない」 (p.123) http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1249772556&owner_id=831795
by nabocha
| 2009-08-09 11:52
| 慶應通信
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